タンパク質とアミノ酸
タンパク質はアミノ酸でできている
三大栄養素の1つ「タンパク質」はアミノ酸がつながったものです。生体中のタンパク質は20種類のアミノ酸からできており、体内に摂取されたタンパク質は最終的にはアミノ酸に分解されます。
タンパク質を構成するアミノ酸20種類
アラニン イシン
アルギニン リシン
アスパラギン メチオニン
アスパラギン酸 フェニルアラニン
システイン ブロリン
グルタミン セリン
グルタミン酸 トレオニン
グルシン トリプトファン
ヒスチジン チロシン
イソロイシン バリン
アミノ酸はタンパク質を構成する部品であり、細胞内で組み合わされています。
必須アミノ酸
20種類のアミノ酸は生命維持にどれも必要です。そのような大事なアミノ酸のうち自分の体内で作れないものを「必須アミノ酸」と呼び、人間の場合、20種類のうち9種類が必須アミノ酸です。
体内で作り出せない必須アミノ酸は食事などで調達する必要があります。人間の場合、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリンの9種類が必須アミノ酸に該当します。
必須アミノ酸がバランスよく含まれている食品を摂取することは非常に大切だと言えます。
コラーゲンもタンパク質
美容成分として名高いコラーゲンもタンパク質の一種です。3本の紐が螺旋となったもので、3重螺旋構造をしています。3重の螺旋構造をしていることで、コラーゲンは固いファイバーの役割を果たし、そのファイバーがびっしりとあることで皮膚などで弾力性が生まれます。
タンパク質と病気
体の重要な構成をするタンパク質ですが、場合によってはタンパク質が原因で病気を引き起こすこともありえます。
アルツハイマー病、パーキンソン病は異常な形のタンパク質が病気に深く関わり、BSEやヤコブ病などは異常な形の「プリオン」が増えることが原因です。病気はウイルスや細菌によって引き起こされることが多いですが、実は異常なタンパク質が正常なタンパク質に作用して病気を引き起こすことがありえます。やはり悪いものが混じると、正常なものも悪くなっていってしまうようです。異常なプリオンが正常なプリオンに作用して異常な形に変えてしまうと元の形に戻りません。そのまま増殖された異常プリオンが脳の神経細胞を殺し、死にいたらしめるのがBSEやヤコブ病です。
何気なく摂取しているアミノ酸分子がつらなったタンパク質ですが、とても重要栄養素であり人間の生死に関わる事がよくわかります。
参考:池上彰「池上彰が聞いてわかった生命の仕組み 東工大で生命科学を学ぶ」(朝日新聞出版)